ソラタ
「雲の中を飛んじゃダメな理由って、見えないからだけじゃないの?」雲と視認性・気象条件の関係を整理します。
この記事の要点
雲は高度によって上層・中層・低層に分類され、全部で10種類(10種雲形)あります。ドローン飛行で特に注意が必要なのは積乱雲(雷・突風・強烈な乱気流)と、視程を下げる霧・乱層雲です。
霧(視程1km未満)・もや(視程1km以上10km未満)は目視飛行の妨げになるため、霧の状態での飛行は原則として避けます。積乱雲が見える場合は近づかないことが鉄則です。
「雲の種類なんて飛行に関係あるの?」と思うかもしれませんが、雲の形は上空の気象状態を示すサインです。積乱雲が見えたら即撤退、乱層雲が広がったら視程低下に備えるなど、雲を読む力は飛行判断に直結します。
ザックリ言うと、「もくもく系(積乱雲・積雲)は上昇気流・乱気流のサイン、べた曇り系(乱層雲・層雲)は長雨・低視程のサイン」と覚えると実用的です。
雲は発生する高度によって上層・中層・低層に分類され、さらに全部で10種類が定義されています。
| 雲の名前 | 略号 | 特徴 |
|---|---|---|
| 巻雲(けんうん) | Ci | すじ雲。白い筋状。氷晶でできている。悪天の前兆になることがある |
| 巻積雲(けんせきうん) | Cc | うろこ雲・いわし雲。小さな白い塊が並ぶ |
| 巻層雲(けんそううん) | Cs | うす雲。太陽や月の周りに暈(かさ)ができる。温暖前線接近の前兆 |
| 雲の名前 | 略号 | 特徴 |
|---|---|---|
| 高積雲(こうせきうん) | Ac | ひつじ雲。白〜灰色の塊が並ぶ |
| 高層雲(こうそううん) | As | おぼろ雲。灰色の層状の雲。太陽がぼんやり見える程度 |
| 乱層雲(らんそううん) | Ns | 雨雲。暗灰色で層状。弱い雨・雪が長時間続く。視程低下 |
| 雲の名前 | 略号 | 特徴 |
|---|---|---|
| 層積雲(そうせきうん) | Sc | くもり雲。灰色の塊・ロール状。最もよく見られる雲 |
| 層雲(そううん) | St | きり雲。低い霧状の雲。視程低下・霧雨 |
| 積雲(せきうん) | Cu | わた雲。白い綿状。上昇気流の指標。発達すると積乱雲になる |
| 積乱雲(せきらんうん) | Cb | 入道雲・雷雲。垂直に大きく発達。雷・突風・ひょう・強烈な乱気流が発生 |
積乱雲(Cb)はドローン飛行において最も危険な雲です。
積乱雲が視認できる場合は、その近傍での飛行も避けてください。積乱雲から離れた場所でも周辺には強い乱気流・突風が発生します。
雷鳴が聞こえた時点で飛行を中止し、機体を回収してください。
積乱雲が発達している場合の危険については、無人航空機の飛行の安全に関する教則(下図)でも10種雲形の分類とともに解説されています。
視程(しても)とは、水平方向に見通せる距離のことです。目視飛行では視程の確保が必要です。
| 状態 | 視程 | 飛行への影響 |
|---|---|---|
| 霧(きり) | 1km未満 | 機体・障害物・第三者の視認が困難。目視内飛行が実質不可能 |
| もや | 1km以上10km未満 | 遠方が霞む。遠距離での機体確認が困難になる |
| 良好 | 10km以上 | 視程は問題なし。他の気象条件を確認して飛行判断 |
霧が発生している状態での飛行は、機体・障害物・第三者の視認が困難になるため、原則として飛行を避けてください。
雲の名称と特徴の組み合わせが問われます。「突風・雷が発生する雲=積乱雲(Cb)」「弱い長雨が続く雲=乱層雲(Ns)」という対比が最重要です。
また「霧の定義は視程1km未満」という数字も試験に出ます。
混同しやすい用語
積乱雲(Cb):入道雲・雷雲。垂直に大きく発達し、雷・突風・ひょう・強烈な乱気流が発生する。
飛行禁止レベル。
乱層雲(Ns):雨雲。低高度の暗灰色の層状雲。
弱い雨・雪が長時間続き視程が低下する。
積雲(Cu):わた雲。上昇気流の指標。
発達すると積乱雲になるため早めに離脱が必要。
霧:視程1km未満の状態。地表付近の空気中の水滴が浮遊している状態。
飛行は原則として避ける。
もや:視程1km以上10km未満の状態。霧より薄い。
Q1. 雷・突風・ひょうを発生させる雲を何というか。
A1. 積乱雲(Cb)。入道雲・雷雲とも呼ばれる。
積乱雲の近傍での飛行も避ける必要がある。
Q2. 霧の定義(視程の基準)は何か。
A2. 視程1km未満の状態。(もやは視程1km以上10km未満。)
Q3. 弱い雨が長時間続く雲は何雲か。
A3. 乱層雲(Ns)。低高度の暗灰色の層状雲で、継続的な雨・雪と視程低下をもたらす。
雲は10種雲形に分類され、高度によって上層・中層・低層に分かれます。ドローン飛行で最も危険なのは積乱雲(雷・突風・乱気流)で、視認できた時点で飛行を中止してください。
乱層雲は長雨・視程低下、霧(視程1km未満)は目視飛行の妨げになります。飛行前に雲の種類・量・高さを確認し、積乱雲・霧の有無を判断することがリスク管理の基本です。
関連記事:風速が強いとなぜ危険? 高気圧・低気圧・前線とは? 海陸風・山谷風・ダウンバーストとは?
参考資料
・無人航空機の飛行の安全に関する教則(国土交通省 第4版)
・気象業務法(昭和27年法律第165号)
・気象庁 航空気象情報
※ この記事の制度確認日:2026年5月
学科試験対策|管理人の一言
10種雲形をすべて暗記する必要はありませんが、「積乱雲(Cb)の危険性」「乱層雲(Ns)=長雨」「霧=視程1km未満」の3点は必ず押さえてください。積雲が発達すると積乱雲になるという流れも問われます。