ソラタ
「ハザードとリスクって何が違うの?どちらも危険なこと?」リスクアセスメントの基本概念と違いを整理します。
この記事の要点
ハザードは「危害を引き起こす可能性のある要因・状態そのもの」、リスクは「ハザードが現実化する確率と影響度の組み合わせ」です。
「リスク=発生確率×影響度(重大性)」という関係で理解すると整理しやすいです。ハザードが同じでも、発生確率や影響度が違えばリスクの大きさは変わります。
リスク管理の分野では「ハザード」と「リスク」は別の概念として使われます。学科試験でも区別して問われることがあるため、両者の定義と関係を整理します。
ザックリ言うと、ハザードは「危なくなりうる原因」、リスクはその「危なさの度合い(起きやすさ×被害の大きさ)」です。
ハザード(Hazard)は、「危害を引き起こす可能性のある要因・状態・物質」そのものです。ドローン運航における例:
ハザードはまだ「起きていない危険の原因」であり、それ自体が即事故を意味するわけではありません。
リスク(Risk)は、ハザードが現実に危害を引き起こす「可能性の大きさ」を示します。発生確率と影響度(重大性)の組み合わせで評価します。
リスク = 発生確率(ハザードが現実化する確率)× 影響度(危害の重大さ)
同じハザード(例:強風)でも、飛行場所が第三者の多い市街地なら影響度が高くリスクは大きくなります。無人地帯での飛行なら影響度が低くリスクは小さくなります。
| 項目 | ハザード | リスク |
|---|---|---|
| 何か | 危害を引き起こす可能性のある要因・状態 | ハザードが現実化する確率×影響度 |
| 例(強風) | 強風という気象状況そのもの | 強風で機体が制御不能になり墜落する確率×影響 |
| 対策の方向 | ハザードの除去・回避 | 発生確率の低下・影響度の低下 |
リスクを低減するには、①ハザードを除去する、②発生確率を下げる、③影響度を下げる、のいずれかまたは組み合わせが有効です。たとえば強風ハザードに対しては「風速が低い日を選ぶ(発生確率低下)」「万一の際も第三者がいない場所を選ぶ(影響度低下)」などが挙げられます。
ハザードとリスクの定義・リスク低減の考え方(頻度×重大性)については、無人航空機の飛行の安全に関する教則(下図)で整理されています。
「ハザード=リスク」という混同が起きやすいです。ハザードは「危険の種(原因)」、リスクはその「実現可能性と影響の大きさ」です。
ハザードがあってもリスクが低い場合(影響度が小さい・発生確率が低い)もあります。
混同しやすい用語
ハザード:危害を引き起こす可能性のある要因・状態そのもの。強風・磁気異常・バッテリー低下など。
リスク:ハザードが実際の危害につながる可能性の大きさ。発生確率×影響度で評価する。
リスク低減措置:発生確率を下げる・影響度を下げる・ハザードを除去するための対策。
Q1. ハザードとリスクの違いを一言で言うと?
A1. ハザードは危害を引き起こす可能性のある要因、リスクはその発生確率と影響度の組み合わせ。
Q2. リスクを評価する際の2つの要素は何か。
A2. 発生確率(ハザードが現実化する確率)と影響度(危害の重大さ)。
Q3. リスク低減の手段として有効な方法を2つ挙げよ。
A3. ①ハザードの除去・回避、②発生確率を下げる、③影響度を下げる(のいずれか)。
ハザードは危害の原因・要因、リスクはその発生確率×影響度です。同じハザードでも状況によってリスクの大きさは変わります。
運航リスク評価ではハザードを特定し、リスクを評価して低減措置をとる流れが基本です。
参考資料
・無人航空機の飛行の安全に関する教則(国土交通省 第4版)
・航空法(昭和27年法律第231号)
・国土交通省 無人航空機(ドローン・ラジコン機等)の飛行ルール
※ この記事の制度確認日:2026年5月
学科試験対策|管理人の一言
「ハザード=危険の原因」「リスク=確率×影響度」という式で覚えると混乱しにくいです。「ハザードが同じでも状況によってリスクが変わる」という考え方がリスク管理の核心です。