初心者が学ぶ無人航空機

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GNSSが使えないときどうする?ATTIモードと手動操縦の対応を解説

ソラタ

「GNSSロストって飛行中に突然起きる?起きたらドローンはどうなる?」GNSSが受信できなくなった場合の挙動と対処を整理します。

この記事の要点

GNSS信号が喪失すると機体はATTIモード(姿勢制御モード)に移行し、位置保持が効かなくなります。落ち着いて手動操縦に切り替え、開けた場所へ誘導してGNSSの回復を待つか安全な場所に着陸させることが基本対応です。

GNSSが使えない状況とは

ドローンのGNSS(GPS)機能が使えなくなる状況には以下があります。

原因状況の例
受信衛星数の不足建物の多い都市部・屋内・谷間・橋の下など遮蔽された環境
マルチパス高層ビルや金属構造物の反射で測位誤差が大きくなる
電波干渉強い電波源の近くでGNSS信号が妨害される
磁気干渉(コンパス異常)送電線・鉄構造物付近でコンパスが誤動作しGNSSホールドが不安定になる

GNSS喪失時に機体がどう動くか

GNSS信号が失われると、多くのドローンは自動的にATTIモード(姿勢制御モード)またはビジョンポジショニングモードへ切り替わります。

モード動作注意点
ATTIモード(姿勢制御)機体姿勢(傾き)は安定するが、水平方向の位置保持はされない。風で流される手動で位置を調整し続ける必要がある。上級者向け
ビジョンポジショニングカメラで地面のパターンを認識して位置を保持しようとする高度が低い場合・地面のテクスチャが単調な場合は機能しないことがある
フェールセーフ(RTH)通信も途絶した場合などにホームポイントへ自動帰還ホームポイントが正確に設定されていることを飛行前に確認する

GNSSモジュールの役割(機体の位置・高度を取得するデバイス)については、無人航空機の飛行の安全に関する教則(下図)で搭載デバイス一覧として示されています。

無人航空機に搭載される主なデバイス一覧(国土交通省 無人航空機の飛行の安全に関する教則 第4版 p.42):GNSSモジュールの役割・GNSSロスト時の挙動
出所:国土交通省「無人航空機の飛行の安全に関する教則 第4版」(2026年2月)p.42 搭載デバイスとGNSSモジュール:GNSSモジュールは人工衛星の電波を受信して機体の地球上での位置・高度を取得するデバイス。GPS喪失(GNSSロスト)が発生するとGPSホールドが機能しなくなりATTIモードに移行する場合がある。

GNSS喪失時の操縦対応

対応説明
落ち着いて手動操縦に切り替えるパニックにならず、スロットルと姿勢制御で機体を安定させる
開けた場所へ移動させるGNSS信号が回復しやすい開けた空域へ誘導する
速やかに着陸させるGNSS回復が見込めない場合は安全な場所へ手動着陸
機体を目視で確認し続ける位置保持が効かない状態では特に機体の向き・動きを目視で把握することが重要

GNSS喪失を防ぐ飛行前確認

  • 飛行前にGNSS受信衛星数・信号強度を確認する(一般に6機以上が目安)
  • コンパスキャリブレーションを適切に行う
  • 磁気干渉・電波干渉が多い場所での飛行を避ける
  • ホームポイントが正確に記録されているか確認する

混同しやすい用語

GNSSモード:衛星測位で位置保持する通常の飛行モード。

ATTIモード:GNSS不使用で姿勢(傾き)のみ安定させるモード。位置は風で流される。

ビジョンポジショニング:カメラで地面を認識して位置保持するモード。低高度・テクスチャが明確な地面で有効。

RTH(Return to Home):フェールセーフ機能の一つ。ホームポイントへ自動帰還する。

学科試験対策|管理人の一言

「GNSSが使えなくなるとATTIモードに切り替わり位置保持が効かなくなる」「GNSS喪失時は落ち着いて手動操縦・開けた場所へ誘導・安全着陸」という流れを覚えましょう。また「フェールセーフのRTHが正常に機能するためにはホームポイントの正確な設定が前提」という点も押さえておくと安心です。

一問一答

Q1. GNSS信号を喪失した場合、機体はどのモードに移行することが多いか。

A1. ATTIモード(姿勢制御モード)。位置保持が効かなくなり風で流されるため手動操縦が必要になる。

Q2. GNSS喪失時に操縦者が行うべき対応を2つ答えよ。

A2. ①落ち着いて手動操縦に切り替え機体を安定させる ②開けた場所へ誘導してGNSS回復を待つか、安全な場所に速やかに着陸させる。

Q3. ビジョンポジショニングが機能しにくい条件を答えよ。

A3. 高高度での飛行・地面のテクスチャが単調(雪面・水面・均一な舗装など)・照明が暗い状況など。

まとめ

GNSS喪失時は機体がATTIモードへ移行し位置保持が効かなくなります。手動操縦で安定させ、開けた場所へ誘導してGNSSの回復を試みるか、安全な場所へ着陸させることが基本対応です。

飛行前のGNSS衛星数確認・ホームポイント設定・コンパスキャリブレーションで喪失リスクを減らすことが重要です。

関連記事:GNSSの測位原理 GNSS誤差の種類と対策 フェールセーフ機能とは

参考資料

・電波法(昭和25年法律第131号)

・無人航空機の飛行の安全に関する教則(国土交通省 第4版)

・総務省 電波利用ホームページ

この記事を書いた人

ソラタ

30代。二等無人航空機操縦士の技能証明取得を目指して勉強中。学科試験で詰まったポイントを整理してお伝えします。