ソラタ
「GNSSロストって飛行中に突然起きる?起きたらドローンはどうなる?」GNSSが受信できなくなった場合の挙動と対処を整理します。
この記事の要点
GNSS信号が喪失すると機体はATTIモード(姿勢制御モード)に移行し、位置保持が効かなくなります。落ち着いて手動操縦に切り替え、開けた場所へ誘導してGNSSの回復を待つか安全な場所に着陸させることが基本対応です。
ドローンのGNSS(GPS)機能が使えなくなる状況には以下があります。
| 原因 | 状況の例 |
|---|---|
| 受信衛星数の不足 | 建物の多い都市部・屋内・谷間・橋の下など遮蔽された環境 |
| マルチパス | 高層ビルや金属構造物の反射で測位誤差が大きくなる |
| 電波干渉 | 強い電波源の近くでGNSS信号が妨害される |
| 磁気干渉(コンパス異常) | 送電線・鉄構造物付近でコンパスが誤動作しGNSSホールドが不安定になる |
GNSS信号が失われると、多くのドローンは自動的にATTIモード(姿勢制御モード)またはビジョンポジショニングモードへ切り替わります。
| モード | 動作 | 注意点 |
|---|---|---|
| ATTIモード(姿勢制御) | 機体姿勢(傾き)は安定するが、水平方向の位置保持はされない。風で流される | 手動で位置を調整し続ける必要がある。上級者向け |
| ビジョンポジショニング | カメラで地面のパターンを認識して位置を保持しようとする | 高度が低い場合・地面のテクスチャが単調な場合は機能しないことがある |
| フェールセーフ(RTH) | 通信も途絶した場合などにホームポイントへ自動帰還 | ホームポイントが正確に設定されていることを飛行前に確認する |
GNSSモジュールの役割(機体の位置・高度を取得するデバイス)については、無人航空機の飛行の安全に関する教則(下図)で搭載デバイス一覧として示されています。
| 対応 | 説明 |
|---|---|
| 落ち着いて手動操縦に切り替える | パニックにならず、スロットルと姿勢制御で機体を安定させる |
| 開けた場所へ移動させる | GNSS信号が回復しやすい開けた空域へ誘導する |
| 速やかに着陸させる | GNSS回復が見込めない場合は安全な場所へ手動着陸 |
| 機体を目視で確認し続ける | 位置保持が効かない状態では特に機体の向き・動きを目視で把握することが重要 |
混同しやすい用語
GNSSモード:衛星測位で位置保持する通常の飛行モード。
ATTIモード:GNSS不使用で姿勢(傾き)のみ安定させるモード。位置は風で流される。
ビジョンポジショニング:カメラで地面を認識して位置保持するモード。低高度・テクスチャが明確な地面で有効。
RTH(Return to Home):フェールセーフ機能の一つ。ホームポイントへ自動帰還する。
Q1. GNSS信号を喪失した場合、機体はどのモードに移行することが多いか。
A1. ATTIモード(姿勢制御モード)。位置保持が効かなくなり風で流されるため手動操縦が必要になる。
Q2. GNSS喪失時に操縦者が行うべき対応を2つ答えよ。
A2. ①落ち着いて手動操縦に切り替え機体を安定させる ②開けた場所へ誘導してGNSS回復を待つか、安全な場所に速やかに着陸させる。
Q3. ビジョンポジショニングが機能しにくい条件を答えよ。
A3. 高高度での飛行・地面のテクスチャが単調(雪面・水面・均一な舗装など)・照明が暗い状況など。
GNSS喪失時は機体がATTIモードへ移行し位置保持が効かなくなります。手動操縦で安定させ、開けた場所へ誘導してGNSSの回復を試みるか、安全な場所へ着陸させることが基本対応です。
飛行前のGNSS衛星数確認・ホームポイント設定・コンパスキャリブレーションで喪失リスクを減らすことが重要です。
参考資料
・電波法(昭和25年法律第131号)
・無人航空機の飛行の安全に関する教則(国土交通省 第4版)
・総務省 電波利用ホームページ
※ この記事の制度確認日:2026年5月
学科試験対策|管理人の一言
「GNSSが使えなくなるとATTIモードに切り替わり位置保持が効かなくなる」「GNSS喪失時は落ち着いて手動操縦・開けた場所へ誘導・安全着陸」という流れを覚えましょう。また「フェールセーフのRTHが正常に機能するためにはホームポイントの正確な設定が前提」という点も押さえておくと安心です。