初心者が学ぶ無人航空機

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2.4GHz帯と920MHz帯の違いは?ドローンの送受信周波数を整理

ソラタ

「ドローンが使う周波数帯って決まってるの?勝手に変えたら違法になる?」使用可能な周波数帯と技術基準の仕組みを整理します。

この記事の要点

ドローンのコントローラーと機体の通信(コントロールリンク)には主に2.4GHz帯が使われます。920MHz帯は到達距離が長く障害物を回り込みやすい特性があり、農業ドローンなどで使用されます。

どの周波数帯を使う機器も、電波法の技術基準適合証明(技適)を受けた機器を使う必要があります。

ドローンのコントローラーと機体は電波でつながっています。「どの周波数で通信しているか」は、通信の到達距離・障害物への強さ・干渉リスクに直結します。

学科試験では、各周波数帯の特性と使用用途の違いが問われます。

また、映像伝送(FPV)のための電波とコントロールリンクの電波は、周波数帯が異なる場合が多く、それぞれの特性を別々に理解する必要があります。電波を使う以上、どの機器も電波法の規制に従う必要があります。

一言でいうと、2.4GHz帯は「速くて混みやすい高速道路」、920MHz帯は「少し遅いけど山道でも使える下道」のようなイメージです。用途に合わせて使い分けます。

主な周波数帯の特徴

ドローンが使う周波数帯は用途ごとに異なります。コントロールリンクと映像伝送の主な3つの帯域を整理します。

2.4GHz帯の特徴

2.4GHz帯はドローンのコントロールリンク(コントローラーと機体の双方向通信)に最も広く使われている周波数帯です。

  • 短い波長・直進性が強い:障害物に弱く、壁・樹木・建物の裏では信号が届きにくくなる。
  • 比較的高速なデータ通信:操縦コマンドやテレメトリ(機体情報)の伝送に適している。
  • Wi-Fiや家電との干渉リスク:Wi-Fi(IEEE 802.11b/g/n)・Bluetooth・電子レンジなどが同じ2.4GHz帯を使用するため、都市部や建物内では干渉を受けやすい
  • 到達距離:機種により数百m〜数kmの通信距離(障害物のない見通し距離)。

920MHz帯の特徴

920MHz帯(920MHz前後のサブGHz帯域)は、主に農業ドローンや産業用ドローンのコントロールリンクに用いられます。

  • 長い波長・障害物に強い:波長が長いため、障害物を回り込みやすい(回折特性が高い)。
  • 到達距離が長い:同じ出力でも2.4GHz帯より遠くまで届きやすい。農場など広い場所での使用に向く。
  • 通信速度は低め:高速なデータ通信には向かず、シンプルな制御コマンドの伝送に使われる。
  • 他サービスとの共存:920MHz帯は特定小電力無線の区分で使用されることが多い。詳細は総務省の最新情報でご確認ください。

5.8GHz帯の用途(映像伝送・FPV)

5.8GHz帯は主に映像伝送(FPV映像の送信)に使われます。コントロールリンクではなく映像を送る側の周波数です。

  • 広い帯域幅:映像データのような大容量データの伝送に向く。
  • 直進性がさらに強い:2.4GHz帯より障害物に弱く、遮蔽物があると映像が途切れやすい。
  • 2.4GHzとの干渉が少ない:コントロールリンクに2.4GHzを使いながら、映像伝送に5.8GHzを使う組み合わせが一般的。

※ 5.8GHz帯の機器は技適が必要です。また周波数使用条件は総務省の電波法関連規則でご確認ください。

3つの周波数帯の比較

周波数帯 主な用途 障害物 到達距離 干渉リスク
2.4GHz帯 コントロールリンク(主流) 弱い 中〜長 高(Wi-Fi・BT)
920MHz帯 コントロールリンク(農業・産業) 強い 低め
5.8GHz帯 映像伝送・FPV とても弱い 短〜中 中(Wi-Fi 5GHz)

920MHz帯・2.4GHz帯・5.8GHz帯の用途・特性・免許の要否については、無人航空機の飛行の安全に関する教則(下図)の無線通信システム一覧でも確認できます。

無人航空機での使用が想定される主な無線通信システム(国土交通省 無人航空機の飛行の安全に関する教則 第4版 p.31):920MHz帯・2.4GHz帯・5.7GHz帯の用途と免許の要否
出所:国土交通省「無人航空機の飛行の安全に関する教則 第4版」(2026年2月)p.31 無線通信システムと周波数帯:操縦用・映像伝送・リモートID・GNSSそれぞれで使用される主な周波数帯と、免許の要否・最大送信出力・無線従事者資格の要否が一覧として示されている。

周波数と電波法の関係(技適の必要性)

日本では、電波を発射する機器を使用するには電波法に基づく技術基準適合証明(技適)を受けた機器を使う必要があります。技適マーク(〒マーク)が表示されていない機器は、たとえドローン用であっても使用できません。

海外製の安価なコントローラーや映像送信機の中には技適を取得していない製品があります。これらを日本で使用すると電波法違反になります。

購入時には必ず技適マークの有無を確認してください。

学科試験で混同しやすいポイント

コントロールリンク(操縦コマンドの通信)と映像伝送(FPV映像)は別の電波を使うことが多く、それぞれに適した周波数帯が異なります。試験では「どの周波数が何の用途か」を問う問題が出るため、用途と特性をセットで覚えることが重要です。

混同しやすい用語

コントロールリンクの周波数:主に2.4GHz帯(または920MHz帯)を使用。操縦コマンドとテレメトリ情報を送受信する。

映像伝送の周波数:主に5.8GHz帯を使用。カメラ映像をリアルタイムで地上に送信する。

コントロールリンクとは別の周波数帯を使うことで相互干渉を避ける。

学科試験対策|管理人の一言

「2.4GHz=コントロールリンクの主流」「920MHz=農業用・長距離」「5.8GHz=映像伝送」という用途の対応を最初に固めましょう。「障害物に強いのは周波数が低いほう(波長が長いほど回り込みやすい)」という物理の法則も一緒に覚えると、数字で迷わずに済みます。

技適の問題は「技適マーク=電波法適合の証明」と覚えておけば対応できます。

一問一答

Q1. ドローンのコントロールリンクに最もよく使われる周波数帯はどれですか?

A1. 2.4GHz帯です。広く普及していますが、Wi-FiやBluetoothとの干渉に注意が必要です。

Q2. 920MHz帯の特徴を2つ挙げてください。

A2. 障害物を回り込みやすい(回折特性が高い)点と、到達距離が長い点です。農業ドローンや産業用ドローンで使用されます。

Q3. ドローンで電波を使う機器に技適マークが必要な理由は何ですか?

A3. 電波法により、日本国内で電波を発射する機器は技術基準適合証明(技適)を受けた機器を使わなければならないためです。技適マークのない機器の使用は電波法違反になります。

まとめ

ドローンの電波通信は用途に応じて異なる周波数帯を使います。コントロールリンクには2.4GHz帯(標準)または920MHz帯(農業・産業用)、映像伝送には5.8GHz帯が一般的です。

周波数が低いほど障害物に強く到達距離が長い一方、高い周波数は広帯域通信に向きます。いずれの機器も電波法の技適が必要です。

関連記事:電波干渉の基礎知識 電波法とドローン

参考資料

・電波法(昭和25年法律第131号)

・無人航空機の飛行の安全に関する教則(国土交通省 第4版)

・総務省 電波利用ホームページ

この記事を書いた人

ソラタ

30代。二等無人航空機操縦士の技能証明取得を目指して勉強中。学科試験で詰まったポイントを整理してお伝えします。